2015.03.11
木のいのち木のこころ
毎月借りている絵画の返却に、西川図書館へ行った。
数多くの絵画の中で、本能的にクロード・モネの作品にいつも惹かれる。
また二作品共にモネの絵を借り、三月の体感ハウスの空気と一体で居間に飾る。
この絵画の入替係は私の担当であり、一つの楽しみでもあるように思える。
手続の際図書コーナーへ行き、【「いい家」が欲しい。】を始めとする「いい家」三部作と「涼温な家」が、建築関連の本棚に置かれていることを見て安心した気持ちになり、ゆったりと本を見て廻る。
今回は、法隆寺棟梁・西岡常一著の「木のいのち木のこころ」を借りた。
他にも数冊出されており、今までも読んではいたが、本質の部分で西岡常一氏の言葉と、改めて木のこころに触れてみたく、一晩で一気に読んだ。
宮大工の世界と我々工務店では、当然に違いはあるが、桧に対するこだわりや木に対する思いの強さはつながる所が多くある。
住まいは工業製品ではないのだ。
職人のそれぞれの思いの深さが入ってこそ、家が生きるのであり木は呼吸をしている。
呼吸の止められた木の家は、本質から言っても避けるべき家と自分も考えている。
よって、構造体が常に呼吸している家であることが平澤の家であるために、全棟外断熱となっており、躯体内は通気・換気がされているのです。
桧の持つ命の長さを、この寿命をまっとうするだけ生かすのが大工の役目です。と、西岡常一氏は言う。
それでないと木に申し訳がたちません。と、言葉をつなげる。
木は物ではない。生き物なのです。
平澤 政利