我が家は、築数十年の古い建物だ。
工場に併設していて、その昔は社員寮としても使われていたために、長方形の中廊下型の間取りである。
断熱の施工も無く、部屋によっては一日中、光が届かない所もある。
これから、梅雨時そして夏に向けて、一番厄介なことが、湿気と温度差。
梅雨時には、玄関土間のコンクリートが水を撒いたかのように濡れていることすらある。
先日、雨が降っていた日も、帰宅するなり廊下でカビ臭さを感じた。
思わず、床下点検口を開けて確認してみると、何とも不快なジメジメした空気が停滞している。
布基礎で防湿コンクリートもないために、梅雨時の床下環境は最悪状態だ。
毎日、この昔ながらの家と涼温な家(体感ハウス)の両方を体感していると、住まいがどういうものであるべきか考えさせられる。
住宅雑誌や写真で見るオシャレな家。開口部が広く取られ、眺望も素晴らしいだろうが、そこに住み心地の良さはあるのだろうか。
涼しさや暖かさだけでなく、視覚等で生活を楽しむことも住み心地の一つだろうが、人間が本能的に感じる快適性は、やはり体で感じる空気感だと思う。
そして、湿度まで管理された空間は、温度計に表示される以上の気持ち良さがある。
床下まで一様に、快適な空気が流れる家がどのくらいあるだろうか。
私の家のように、カビの臭いや、部屋の中で感じるジメジメした不快感に悩まれている方には、梅雨時の涼温な家の床下空間を、ぜひ体感して頂きたい。
佐藤 吉行