2016.12.10
断熱ライン
ご存知のように、外断熱の家は外周柱外側に板状断熱材を張り付け、外周をすっぽり断熱材で包み込む工法です。
しかしながら、外断熱の家と称しても、外壁部分は外張り断熱で、基礎は内部の床板の下に断熱を敷き込んだりしている、外断熱ではない工法を、度々見かける事があります。
一般的には、床下通気ガラリを基礎立上りコンクリートに、開口として設けます。
建築基準法にても通気の設置基準が謳われている。
近年多用されているのが、基礎通気パッキンで基礎と土台外周に満遍なく隙間をつくり、床下に通気する方法です。
床下の湿気対策の1つとして行われています。
今日のテーマ、「断熱ライン」ですが、本来外壁、基礎、屋根の全てがきちんと外断熱されないと、上質な温熱環境をつくり上げることは難しい。
涼温な家は、全ての外断熱ラインが繋がっています。
断熱欠損となりがちな外周からの床下換気口も無く、ホコリや冷気や湿気の侵入を防いでいる。
防蟻対策は、ミラポリカMP工法の基礎外断熱となっております。
薬品を使わない、物理的防蟻工法としても注目されている。
住宅の白蟻対策は、ノンケミカルな外断熱工法が健康、安全、安心として求められています。
よく見かけます基礎上外断熱土台パッキンは、床下では外気となる。
冬は冷気の入り込みとなってしまい、熱損失と住み心地の低下が予想される。
断熱ラインが綺麗に外側で繋がっている事が、本来外断熱の家の条件です。
その上で、気密の精度を確立して換気理念を伴ってこそ、快適と省エネの住み心地が実現出来る。
気密ラインは断熱ラインと一致すべきと考えます。
私共では耐震性能を高める為に、全ての涼温な家は、TlP構法の家づくりとなっています。
断熱ラインはTlP材面材の外側にあり、気密ラインと一致している。
よって、TlP構法では外周柱等の構造体内にも、通気呼吸させる利点がある。
根太方向の根太においては、外周側は15ミリ程土台から離し、外周壁体への健全通気確保をしています。
建物はあくまでもトータルバランスで造るものであり、それが求められる涼温な家と確信して、丁寧に造り上げております。
平澤建築事務所 平澤 政利