連休前の数日間、元大工でもある平澤の同行、指示のもとに現場作業を行った。
パソコンの前に座り、画面とにらめっこしながら、1/50、1/100という縮尺で作成する図面とは違い、原寸で対応する現場での作業は新鮮で有意義な時間であった。
それと共に、頭でっかちになり既成概念にとらわれている自分の未熟さを痛感する。もっと柔軟でなければならない。
常々、現場での職人を見ていると、頭が良いと思うことが多くある。
これは、単に学力だけのことではなく、生きていくうえでの対応力、応用力といえる部分である。
パソコンや機械で何でもできる時代だからこそ、五感を駆使してつくるモノの凄さや有り難さに改めて気づく。
知識として知っていることと、それをカタチにすることには大きな隔たりがある。現場ではその差がより大きく感じられた。
問題の解決策は必ず現場にあるという平澤の言葉も、現場をよく知る人間だからこそ言えるものなのだと実感した。
平澤建築事務所
佐藤 吉行