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2017.11.15
芸展

今年も芸展が県民会館にて開催されています。
チケットを彫刻家の戸張公晴氏より頂いた。
私は絵画、彫刻に惹かれる。
昨日、中央区の基礎工事現場確認の後、県民会館に寄りまして作品の鑑賞をした。
じっと見ていると、作者の思いに繋がるようで緊張する。
作品創りには、表現したい強い思いと持続性が求められます。
完成形の作品を強くイメージし、製作を進めなければなりません。
テーマに対し更に掘り下げを行う。
時間を掛けて完成度を高めて行きます。
芸術の作品創りは、凄いエネルギーと意志を要すると想像します。
作者は完成形へのストーリーを的確に持ち、ぶれてはならない。

家づくりにも共通する事がある様に感じます。
お客様の住まいを、つくりあげる流れが建築の設計であり施工です。
住まいは芸術作品とは言わないにしろ、コンセプトのハッキリしていない家づくりは
単にお客様よりのその都度
指示を受けて、
言われた通りに進める事でもあります。

果たしてプロの建築屋はそれで良いのでしょうかと疑問を持ちます。

お客様は
一番権限を持った立場にあります。自分の思いの詰まった家づくりを懸命に進めます。
失敗は許されない大事業だから張りきり頑張り、指示をします。
この様な家づくりでは
お客様は必ず疲れ切ってしまう筈です。
あげくの果てには、問題だらけの完成となってしまうでしょう。
信頼出来る、力量ある、求めたい家への共有をしている指揮者がオーケストラには必要です。

部分的によしでは集合体本来のハーモニーは生まれず、
美しくバランスのとれた音にはならず、いい住まいにはなりません。

お客様の代理となり職務を遂行するのが設計者であり、建築屋の立派なリーダーと言えましょう。

いい家づくりとは
求めたい住まいをテーマにして設計者に伝える事にあります。
要望を伝える。
細かい部分を指示では無いと考えます。

相性が合い、信頼出来て、
力ある建築屋に出会えたなら
家づくりの80パーセントは成功と言える。

そんな事を芸術作品を見て感じた。

      平澤建築事務所
       平澤政利