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2017.07.26
家づくりの打ち合わせの中で

家づくりの過程を大別すると二つに分かれる。
ひとつは設計であり、もうひとつはそれを具体的にカタチにする施工であります。
前段階の設計では、かなり幅広い要素が含まれるものです。
二次元の紙の上に立体的な三次元と、更には時間と共に変わる光やスライドする壁、扉、ライティングなど、光と影も四次元の要素を想像しながら、ご家族の心地よさをイメージして表現することが住まいであると考えます。

繰り返しの話ですが、敷地がもつ近隣から受けるロケーションは、設計には大きな要素になります。
前面道路の方位や道路幅員、くつろぐ居間に心地よい陽射しを景色としてどの様に入れるかなど、設計者は物語迄カラーで頭の中に出てくる位に、その土地に三次元を構想することになる。
それ以前に資質として持ち合わせていなければならないものに、建物の強度、耐久性、質感、味わい雰囲気、間取り、更にはご納得頂ける価値ある建築費などを提案出来る力量です。
勿論、短時間で身に付くものではありません。
長い経験と試練、そして繰り返しの学びと強い思いは不可欠です。
更には求める家に住み心地が加わりますと、温熱環境、空気、省エネ、健康増進さえ秘めてきます。
それに対する能力、資質迄求められるはずです。
怖くて設計が出来なくなりそうな程、社会的責任があります。

最も権限がありますクライアントの指示通りに図面をつくる設計者は、無能で無責任極まりない人だと思っています。
表向きは嫌われない様に繕い、打ち合わせを進めます。
一見頼もしくいい人に見えるでしょう。
しかし、問題が発生すると「おっしゃった通りにつくりました。法的には問題有りません」と、完成後に逃げ腰になる人と考えます。

知識を押し付けることなく、お客様の奥にある求めを発掘、導き出すことに、設計者の存在意義があると思う。

完成した時に、真から感動を共に分かち合える、頼りになるパートナーの建築屋で有る事です。
これからもド真剣に生きます。多少変わり者と言われてもです。
      平澤建築事務所
        平澤政利