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2017.05.13
京都景観条令の街並み

先の盛和塾例会京都出席の翌日に、京都の住宅建築を見て回りました。
桜の花の満開が過ぎ、人通りのピークはおさまったと言うものの、外国人観光客や修学旅行の生徒達を多く見かけた。

有名な神社、仏閣を訪ねている訳ではないのに、観光の方達が街を歩いて散策しています。

京都景観条令の事に詳しい、少しご年配のタクシードライバーの車を貸し切り、住宅を見て回った。

味わいある街並みへ案内して貰っては車を止めて貰い、歩きながら住宅を眺める事を繰り返す。

正に、古く美しい。 
古美るである。

京都の街並み保存の、強く厳しい条令の力を感じます。
形、外部仕上げ材、そして外部の色使いには、とりわけ規制の強さを感じる。

街並みそのものが一体化されている風合いであり、長い歴史の中にある住まいは京都である。
大量生産のハウスメーカーの家を見かけない事も嬉しい。

タクシードライバーも言っておりましたが、素朴で良い味わいのある雰囲気を出している街並みですが、そこにお住まいの方はそれなりに大変な事でもある。
それは、自分の家なのに自分の思うままに自由に家を建て替えることが難しいのである。
改築が多いのも、規制の強さの1つの対策かも知れない。
京都の街並みの中に自分がいるのである。

勿論、他の地域でも建築基準法等で、街並みやそれぞれの建築の規制はされているものの、比較的自由に建てられるものです。

建築に携わる者として考えます。
確かに、ご自分の所有する土地にご自分の家を建てる事ではあります。
頑張って貯めたお金、又は、長期の住宅ローンで自己責任において建築する。
だから自分の自由な家にする。
建築屋はお客様のご要望を受け入れながら、お客様の気に入る家を頑張って造ろうとします。
それがいい建築屋の如くです。
私もその1人と言えるかもしれない。

しかし、厳しい法的規制が少ない地域においても、近隣への配慮や街並みの中に自分の家がある意識を持ちながら、調和のある家づくりを一緒に導きながら進めて行きたいものです。

その意識の小さな一歩がいい街並みをつくることに繋がり、しいてそれが集団となり、いい環境を形成するものとなる。

    平澤建築事務所
      平澤政利