昨年末に、数棟の涼温な家の建築相談依頼をお受けして、プランニングを進めている。
全てのプロセスの大切さは言うまでも無いが、家の出来上がりに大きく左右される、最初のスケッチプランのウェイトは大きい。
私共のつくる家は全棟涼温な家です。
その住み心地を最優先に考え、敷地に足を運ぶ。
土地の持っているロケーション、そして光の入り方等を頭に入れてからプランはスタートする。
勿論、敷地の法的検討は同時進行です。
あらゆる角度から集中して、一枚のスケッチプラン図を描くのです。
プラン図は住まい方そのものであり、敷地全体の景色でもある。
お客様自身の、ご家族の、将来への物語でもあると考えています。
アプローチやガレージ、樹木のあり方、配置等もスケッチの中に自然に落とし込む。
住まいの設計段階には、大まかなガーデニングまで表示される。
今日のタイトルである「プランを熟す必要性」ですが、あらゆる角度から考えてベストと思われるスケッチを仕上げます。
それを数日間、寝かせるのです。
すると、改めてプランを眺めているうちに、今まで見えなかった何かに気づく。
その時には発想出来なかった大切な事にです。
格闘していた事に対しての、シンプルな解決策につながる事も多い。
自分1人の格闘かも知れないが、大切な、必要な時間、必要な日にちとなっているのです。
それを「プラン図を熟す時間」と呼んでいる。
何気ない様なスケッチプランには、そのような気迫が入っています。
少しの時間を置く、寝かせる、少し離れて見る。
お客様の要望に、言われた通り従うだけではなく、その言葉の奥にある思いをいかに導き出し、表現するかが大切であると感じます。
その強い思いを持ち続ける中で、住み心地を追求します。
それは美しさの追求にも繋がる。
平澤建築事務所 平澤 政利