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2017.01.07
冬に思う

昨年末から今年にかけて、I様邸の気密測定、風量測定を行なった。

引違玄関戸の仕様の家で、C値は0.3c㎡/㎡となった。
高気密な外張り断熱で包まれた涼温な家は、冬場の隙間風に悩まされるがほとんどなく、計画的な換気システムにより、臭いや温度差、結露、空気淀みも生じない。

正月中に、新年の挨拶廻りで親戚宅や知人宅を訪れることも多かった。
今年は雪もほとんどなく、まだ冬本番という感じもしないが、もちろんそれぞれの家では暖房機がフル稼働している。
我が家も含めて、石油ファンヒーターの家は多い。

局所暖房で、家族が集まるリビングは暖かいが、廊下やトイレは取り残されている。
トイレや脱衣場に小さな電気式のファンヒーターを置いている家も珍しくない。
そして、結露が発生している。
窓ガラスの結露に関しては、見て見ぬふり状態で、冬だからしょうがないと諦めているのだろう。
新潟の人にとっては、「冬=結露」の図式が当たり前になっているのではないかとすら思える。

昨年の12月に体調を崩した祖母は、正月中も特別養護老人ホームで過した。
せっかくの年末年始を自宅で過せないことを申し訳なく思ったが、改めて我が家の温度差を考えると、かえって施設で過した方が安全なのではないかと考えたほどだ。

涼温な家は、介護を要する高齢者のいるご家庭にとっても、理に適った住まいである。

温度についてもバリアフリーであり、各室から発生した汚れた空気や臭い等も拡散されることなく排気される。

住む人達が幸せになることで、家全体の雰囲気も明るくなるはずだ。

断熱・気密・換気は住み心地に直結する。

冬になると毎年、昔ながらの我が家と涼温な家の性能の違いを肌で感じながら、改めて考えさせられることが多い。

平澤建築事務所  佐藤 吉行