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2016.11.12
編者 日経ホームビルダー

耐震の安心無くして家づくりのことは語れない。
熊本地震では、新耐震基準で造られた家が倒壊していると報じられています。

この本には、熊本の地震による写真が多く掲載されています。
注目すべきところは、最初の大きな揺れに対して耐えた建物が、その後の繰り返しの地震にて数日後に倒壊している点である。
その過程の中で、ゆるみの出た構造体の耐震となるべき筋交いの破壊が痛々しく掲載されている。
引き抜き力による検討不足も本を見ていて感じます。

また、地盤の弱い地域では、地震の揺れが増幅される事で一定地域に被害が多く発生している。
建築の設計者は建物の耐震基準に安堵することなく、地盤に対する力の伝え方、そして壁量計算、耐力壁バランス計算の検討と同じく、地盤対応処置と基礎設計を一貫の流れの中で行うべきと再認識します。
地盤調査会社は、設計者にデータを渡す立場の人であり設計者では無い。

地盤対策を安易に考え耐震を語るのは首を傾げます。
その接地部分となる基礎は、耐圧盤基礎が良い事は力学的に見て、一般住宅では不動であると考えております。
その耐圧盤基礎にしっかり接続し、引き抜き対策検討も不可欠と言えます。
これは耐震のみならず耐風、竜巻対策ともなる。

総合バランスのとれた建築物が住まいには求められている。

平澤建築事務所  平澤 政利