BLOG

ブログ
2016.10.13
C値と住み心地

省エネ住宅を各社こぞって訴えている時代です。
断熱性能が求められ、それを数値で表すのが一般的です。

それぞれの断熱の特異性をクローズアップする。
そして、外気に接する外皮面積を基にして求められる、熱損失量を示すUA値や日射熱取得率を示すηA値が、省エネ性能の代名詞のように訴えるし、皆様はそれを見て判断される。

その中で、隙間相当面積C値が2009年に規定からスッポリ削除され、H25基準でも復活しなかった。
熱損失や換気と連動して、とても大事な要素であるにも関わらずにです。

今の基準では、いくら隙間があろうが断熱材さえ所定の厚みが入っていれば、最高等級の断熱性能が名乗れるのです。

「エコハウスのウソ」の著者である前貞之東大准教授も本の中で言っている。
本当に暖かい家が欲しければ、「省エネだけ」基準を超えた断熱、そして空気の勝手な振る舞いを許さない気密が不可欠であると。

目を閉じて感じる心地良い住いが大事であり、見えるデザインと匹敵するほどの大きなウエイトと言えます。

一棟ずつ丁寧に断熱、気密施工しなければ、高いレベルのC値は出せない。
量産型の家づくりにとっては、有り難く無い表示です。

国レベルの省エネ表示の中で唯一、1棟ごとに測定しなければならないこのC値のみが消えてきているのは、つくり手に有利な住まいづくりの流れでもあり、住む人にとって必ずしも住み心地が良いのでは無い事が問題である。

涼温な家は、住む人を原点に考えた家であると繰り返し申し上げております。

C値はその1つです。

平澤 政利