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2016.09.18
土地購入事前相談

数十年間家の設計施工をしていると、土地を見る目が研ぎ澄まされてくるものである。
今では、その土地が持つ要素を瞬時に感じとれるようになった。

法的な制限は調べればわかります。
それに沿った家づくりは設計者として当然の事ですが、その地域、環境、ロケーションからくるものや、欲しくない視線のカット手法、採光等勝手にイメージを広げてその土地を見る癖が付いてしまっている。

これにより、不動産屋さんよりもその土地の展開を広げ伝える事が可能なのは確かです。
中には厳しい環境であり、不利な要素を含んだ土地もあります。
新規購入検討ならばそこは避ければ良いですが、既に所有されている敷地での建て替え工事では多々ある事です。
そんな時は、そのマイナス要素を打ち消したり、プラスに転換するような設計手法案を提案する。

固定概念を打ち砕く自由な発想と豊富なノウハウが求められます。
土地環境が厳しい程、プランの方向は見えやすいものと設計者として言えます。

住まいの設計はドラマでもあります。
その土地に、その人の、そのご家族の、それぞれの物語を描いて行く。
要望の要を詰め込みながら。

私共の絶対的要素には、上質な住み心地が必ず付いていなければならない。
そんな建築屋だからこそ、土地購入の際、その土地の見極めの相談が多いのだと思う。
売買や不動産情報は販売会社となりますが、ささやかながらも、土地選択に対して役に立てることを嬉しく感じています。

ハードな家づくりの前に、ソフト面である計画を落とし込み、絞り込んでいる土地では、せめて建物イメージはラフスケッチくらいは検討し、納得した上でのスタートにしたいものです。

平澤 政利