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2016.07.27
多くなる類似システムのアピール

随分前になりますが、私共が住宅設備資材等を依頼している中堅大手商社の重役が新潟に来られ、わざわざご挨拶にお越しいただいた。

体感ハウスの床下、各部屋、小屋裏までを一通りご覧になられてから、住宅業界の現況等の話になった。
平澤の近況を尋ねた後、その商社の省エネ換気システムの話をされた。

テーブルに綺麗な資料を広げる。
それを覗き込んだ。
そして、平澤建築事務所でつくっている涼温換気の家との差について、私の意見を求められた。

言葉に詰まってしまう。

そのシステムのパンフレットとは、床下に全熱交換器を置き、入りこむ外気を熱交換して床下に直接吹き出す方法であった。

汚染された室内空気は、床付け排気グリルからダクトを通し、全熱交換器に集められて熱交換された後に排出される。
給気は、基礎上外壁部分に取り付けられたフードからであり、そこにフィルターが設けてあった。
花粉を除去して、新鮮な外気を家の中に入れる方法だとご説明があった。
PM2.5は粒子が細かいせいか、その除去については触れていないことを感じた。

涼温な家のように、夏と冬のシステム概念図が描かれている。
冷房、暖房は各部屋にそれぞれ設置するエアコンで行う。
不快な風や音、台数には触れられていない。

35坪位の住宅でも、必ず4、5台の個別エアコンが必要となる想像ができる。
よって、省エネと載せるのは如何なものかと感じてしまう。

しかしながら、国が定めるゼロエネルギー住宅認証の計算式は、有利な数値が出るやり方になっているのがミソです。
住み心地への配慮は見当たらないが、数値は魅力的な表記でしょう。
ここが選択の問題となるところです。

失礼だが、我々の家づくりのコンセプトと次元が違い過ぎる為、話を消極的にお聞きしてしまった。

参考までに、平澤の勉強会で使用している空気環境スライドの一部をお見せしたら、重役の言葉数が少なくなってしまった。

深い理論と総合的温熱環境を理解なく聞くと、つい頷いてしまう様な美しいパンフレットが氾濫しています。

この件も1つの提案にしか過ぎませんが、飛びつきたくなるような空気の概念図であった。
今後益々、空気や温熱環境、省エネ換気等を打ち出したシステムの家づくり情報が多く流れて来ると予測できます。

求める家を絞り込む為には、その空気環境や空気の質、淀み、臭いを体感する事が不可欠となってきます。

アピールが氾濫する中で、言葉とパンフレットの怖さを感じた次第です。

全ては体感であり、営業トークに耳を傾けることと同時に、ご自身の体感をもって家づくりを判断されるべきだと思う。

涼温な家は、脳を活性化させます。
健康増進に必ずや寄与する家と言えます。
ぜひ、7月、8月にはお時間をつくり体感にお越し下さい。

あるのです、
このような住み心地の家が。

追伸

今日は、いい家をつくる会セミナー出席のため東京です。
今回の勉強会は、涼温な家に全棟採用している物理的防蟻基礎外断熱工法の集中講義です。

勉強会前に、東京の興味深い建築に向かう為、8時過ぎには東京に到着している。

平澤 政利