断熱・気密工事の完了したH様邸での気密測定である。
結果はC値=0.25c㎡/㎡。
もちろん現場での実施測定である。機械の設置、養生など慣れのいる作業でもある。
気密ライン=断熱ラインであるから、基礎~壁~屋根まで断熱ラインがつながっている「涼温な家」では、断熱施工の精度が気密性能を決めると言ってもいい。
外張り断熱材同士のつなぎ目や開口部周りには、きっちりと防水・気密テープ張りをして、隙間を無くしていく。
こういった細かな作業の繰り返しによって、高気密性能が実現するのだ。
それと同時に、外断熱では構造材である木材の呼吸も止めることもない。
単純に断熱材の厚みを増やして、断熱性能と気密性能を高めようという充填断熱の考え方とは根本的に違うのである。
しっかりとした気密性能の裏付けを確認した後、計画換気実現のための風量測定へと続く。
事前に必要となる風量を計算し、図面化しておく。
その数値になっているかを各部屋ごとに確認調整する。
現場風量測定は涼温換気には不可欠の工程である。
平澤建築事務所では、大工職と定期的に勉強会を行なっている。
風量分配の重要性と気密の関係が共有できているので、ダクト配管にも無理がなく、計画通りの風量が実現できる。
職人の熟練作業と、機械での数値の裏付けによって、涼温な家はつくられていく。
佐藤 吉行