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2016.06.05
新潟での家づくり・ツブヤキシリーズ(11)

隙間相当面積 C値

建物の断熱性能を示す数値でUA値がある。(以前はQ値と表示されていた)
屋根、外壁、天井、床下、開口部等、建物の断熱ラインによって計算する部位は異なるが、断熱性能を表示するものであり、馴染みある言葉だと言えます。

住宅展示場玄関脇きには、わが社のUA値(Q値)はいくつで最高の省エネ住宅である等と、大きな看板が目を引く様に表示されている。
現在のUA値は、省エネ住宅のレベルを表すバロメーターの1つとして使われています。
見かけるのは、断熱材を厚くして、その性能を高め、窓はトリプルガラスのLow-E仕様にする。
外気の入る床下にも厚い断熱を入れたりする。
一次消費エネルギーの計算の基でもあり、今話題となっているZEH補助金申請書類の計算数値にも用います。

UA値がその会社の住宅性能レベルとして誇る様な風潮も感じてしまう。
オプションで超高性能数値住宅も可能です、とも言ったりしている。
更には、太陽光発電何Kwを搭載すればゼロエネルギーになりますとアピールする。

省エネの中に出てくる燃料電池は、イニシャルコストとの費用対効果を冷静に見つめると、売る側の思惑が見えて来る。

断熱性能数値の高い住宅であっても、建物自体の隙間が多ければ本末転倒です。

大量に住宅を販売するハウスメーカー達がC値に触れようとしないのは、UA値の様に図面や仕様で決められるものでは無いからであって、C値とは熟練職人の手によって、一棟一棟その現場の手づくりで造り上げる家なのです。

その後、数値の裏付けに全棟での気密測定が不可欠の住まいです。
よって、大量生産住宅ではC値表現には触れたくない訳です。

この事は佐藤も先日ブログのZEHのところに書き込みをしている。

隙間のある家は、吹雪の日に、それぞれの窓がきちっと閉まって無く、寒い隙間風が入って来ている中で一生懸命、暖房をしている様なものです。
換気効率を高め、省エネを行う為にも、壁や屋根からの隙間を無くす事が必要なのです。
高性能断熱と高気密、つまり隙間相当面積の性能アップは、快適な計画換気と一体としての家だからこそ完結するものである。

個別室にエアコンを設け無いオアシス的な住み心地は、一棟一棟を熟練職人の手でつくる家だからこそ実現するものです。

C値が優れているという事とは、単に隙間の少ない家を言うのでは無く、住み心地と健康と省エネをも表示している家と言っていい。

平澤 政利