ゼロエネルギー住宅に向けた講習会の第2回目が開かれた。
1回目では、主に法令の趣旨やポイントの説明であったが、今回は実際の算定プログラムを用いて、より実践的な内容となっている。
県内各地より出席されている各社も、互いに真剣な表情で、具体的な質問も飛び交う中で、自社仕様の数値化に向けて進んでいく。
私自身、算定についてはいくつかの物件で行なってきているので、基本的な手順や仕組み、数値の意味する所は理解しているが、改めてこのような機会で学ぶことは、知識を深めるためにも大いに役立っている。
外断熱工法の断熱性能の高さ、優位性等に関しては、計算する度に感心させられるし、計算自体が単純化されることも特徴と言えるだろう。
施工される現場でも、断熱ラインが一目瞭然であることは、こういう計算とも連動してくると実感する。
仕様基準や部材、算定式によって出される性能値。
もちろんのこと、住み心地や空間の質といった部分は評価されない。
省エネの義務化によって、求められる住宅の内容も様変わりすることが予想されるが、性能の数値だけを追い求めた家ではなく、体感しないと分からない空気・空間の質、直感的な心地良さも同時に家づくりに求めて欲しいものである。
計算で導き出される住宅性能と、目には見えない空気や空間の上質さの両方を追求した家づくりが、私共の主旨であることは繰り返しブログにも書いている通りだ。
省エネ基準の義務化、電力の自由化などによって、お客様の選択肢は広がっていくだろう。
だからこそ、チラシやパンフレットの大々的な数字に踊らされることなく、本質を見極める力が、お客様にも求められる時代になると思う。
その中で、数値の意味を正しく理解して説明する中で、お客様の求める家づくりの方向性を、きっちりサポートし続けられる建築屋でなければならない。
佐藤 吉行