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2015.09.29
住宅寿命

一組のご家族が、体感ハウスに来場くださった。
現在の家に不満があり、使い勝手の悪さを解消すべく、リフォームを検討したが、リフォーム後のイメージと、その費用対効果を悩んだ末に、最終的に建替えを考えられたようだ。

話を聞くと、築30年の家だという。
実際、私共のお客様の中でも、築30年前後で建替えをされる方は少なくない。
決して悪いことではないが、30年で建替えなければならない日本の住宅寿命への寂しさも同時に感じる。

欧米と比べて、極端に短い日本の住宅寿命。
戦災や震災の影響もあるので、一概に比較するデータでないという人もいるが、実際に安易な考えとつくりの結果、壊さざるを得ない家があることも明らかである。

このお宅も、冬場の結露には毎年悩まされてきて、近年では、ほとんど諦めてしまっているとのこと。
家族の安心と安全を守るための家が、逆に住み手にストレスを与えてしまっているかのようである。

高性能、省エネルギーな家であることは、同時に寿命の長い家でなければならない。
そんな家がもっと普及することを、建築に携わる一人として切実に思う。

佐藤 吉行