このタイトルは、12年前に築120年の家をリフォームを行い、その家を取材された時に、どうしても使って欲しいと、新聞社に申し出た言葉です。
一見、キザな言葉にも聞こえるかもしれませんが、自分としては、その暖かい家を、素直に率直に伝える唯一のシンプルな言葉でした。
今、書店に並んでいる住宅本、「和MODERN」。
その本にも、改めて紹介されているリフォームの家です
この家は、築120年の風情を大切にしながら、屋根、外壁、基礎まで、全て外断熱とした家です。
不具合な柱、土台等は取り換え、必要な補強や耐震性を高め、安全、安心を、しっかりと共存させた。
勿論、ご夫婦の刻まれた思い出を残すべきは大切にし、そこに新たなデザインを吹き込む事で、ワクワクした物語が生まれてくる。
素材、光、そして影。見える緑も、ロケーションも、しっかり計画に取り入れる。
家づくり、リフォームには、ロマンが必要であると常々口にしてます。
だから設計者は、いつも好奇心旺盛であり、自らを高め、行動的、チャレンジャーでなければならないと思っている。
それには、いい空気のある住み心地という感性的な価値が、どれだけ位置してくるかにある。
地震が来る度に、倒壊の不安を持ちながら住んでいたという。
また、冬の底冷え環境は想像を越える寒さとのこと。
その古民家に、住み心地を目的とした、空気のリフォームを行ったのだ。
暖かい、マイルドな冬を楽しめる家となった。
12年住んできた現在では、その価値に対して大きく頷いて頂いている。
しかし、その当時は、勇気のいる決断であったと私も感じました。
空気はそのような位置にあるのです。
よって、リフォームの相談先の建築屋の価値観や理念によっては、進む方向か変わる。
この見極めが大切です。
12年過ぎた今、感謝してもらっている事に建築屋として誇りに思う。
近年、このような価値観に共感していらっしゃる方々が多くなっていると感じてます。
12年前に使った言葉が沸いてきたので、ブログを書いた。
もう一度、
リフォームしたもの・・・実は「空気」です。
平澤 政利