自動車免許更新手続のため、免許センターへ行く。
午前の講習を受ける予定で、朝早めにセンターに着いた。
開始までにはたっぷり時間があるので、ここでも大きな敷地の外周のウォーキングを始めた。
県交通機動隊の建物も隣接している。
目に止まったのが、広い駐車場の先にある、大小の山だった。
その瓦礫の山を、モトクロス用バイクでジャンプしながら走行している人を見つけた。
その山には、大きなタイヤやコンクリートの破片、そして大木等が横たわっている。
そこをバイクでアクロバット的に登り上がるのだ。
見ているだけでもハラハラする。
それに挑戦している人は、警察官であった。
おそらく、レスキュー等の使命を担う隊員だと思う。
誰もいないその山で、1人で黙々と走り挑戦していた。
しばらくの間、そこでじっと見ていた。
その後、1時間ほどウォーキングして、講習会場に入る前にまた寄ってみると、その人はまだ山に挑んでいる。
地震などの災害時では、道路が寸断されてしまう。
その様な状況の際、道無き山をも駆け上り、被災地に入る任務を担った隊員がいる。
その訓練を見ていて、10年前の中越地震の時のことを思い出した。
私の1番下の妹は、小千谷市塩谷地区に嫁いで、そこで生活をしていた。
地震の直撃を受け、古い大きな農家住宅はそっくり倒れてしまった。
その家の中に居たため、もろに下敷きとなってしまったのです。
当時小学5年生の長男は死亡。妹は家の下敷きとなりながらも助けを求め、1日が過ぎた。
助け出された時には半身不随も覚悟していたが、懸命のリハビリにて、1年後には普通の生活をできるまでになった。
それには、多くの人の支援がありました。
今思うと、災害のその時、あの険しい山をバイクで越えて来てくれたのです。
職務とはいえ、本当に有り難かったです。
ひたすら技術向上のため練習しているその姿に、あの時のことが思い出される。
私達は多くの人達によって支えられているのだと、改めて感謝の思いで熱くなりました。
平澤 政利