私自身当然のことながら、設計する際は、かなりその一つの事に集中する方である。
あらゆる角度から検討し、完成形を頭の中でつくり上げ、そして、それがカラーで詳細まで見えてくるまでイメージを繰り返すのです。
目を開けて見ているものは、実はそのイメージの完成された建物であり、空間であり、光である。
とことんイメージに入り込むタイプかもしれない。
イメージが湧いてくると、紙の上に鉛筆で、すぐさまスケッチを始める。
今の時代には合わない手法です。
それしか出来ないから、そのやり方を続けている。
いい感じが現れ始めると一気に進む。そして休む。離れて見る。何か違う。
それを感じると惜しげもなく消していく。その繰り返しなのです。
そうすることで、新たに生まれやすい。イメージがインプットされているからだろう。
いい感じのスケッチプランが生まれた時は、嬉しくベッドに入って寝るのです。
きっとワクワクしながら寝ているのかもしれない。
そのことが頭の中に浮かび上がってきて、寝る前には全く気が付かないことが、ふと見えたりする。
無意識の中で見えたものは、自分でも驚くほどに良い解決策であったりもする。
思いの強さが生み出したものだ。当然、目が覚める。
このまま寝てしまうと見えなくなってしまいそうで、夜中でもそれを描きとめることが時々ある。
壁にぶち当たっている時ほど、光る解決策が天から囁いてくるように思える。
全てが思いの強さ、深さによるものだと考えている。
平澤 政利