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この家は明治時代に造られた家であり、12年前に建替えのご相談があった。
家の中は暗く、床下はジメジメしていて土台も傷んでいた。(作品集・燕市中諏訪)
話を伺うと、とにかく冬は寒く湿気が多く、日中も照明をつけなければならない。何より地震が怖いからと、安心と快適を求められていた。
お二人共教員を退職なさり、奥様は絵画を描くことを趣味とされていた。
また、草花を育てることもお好きなご夫婦の家である。
とても歴史ある家。当然のごとく、長い想い出が詰まっている。
幸いなことに土地もゆったりしていたし、仮住まいのスペースも確保できる。
そこで、空気のリフォームを主として、想い出を継承することになった。
途中、奥様が心配していたと後になって聞いた。
平澤はこんなに解体して、いっそ新築の方が良かったのではと・・・。
話として了解は頂いていたが、外周の壁は全て無くし建物は持ち上げられ、土台・基礎はやり直され、古い屋根垂木も取替えられ外断熱となった。
ソーラーサーキットの家に生まれ変わったのである。
光を取り入れるべく天井を取り除き、明治の梁を現しにして高い所から光を入れる。
脇床だった所も窓を設け、開放感ある明るいスペースとなる。
畳続きの隣の部屋で、朝日の入る食堂は無垢の板張りとなる。
その広がりを居間と一体化させるため、ご夫婦がくつろぐスペースは畳コーナーにしてフラットに仕上げた。
完成時には感動さえして頂いた。
11年以上も前からこだわり、空気のこと、つまり住み心地を一貫して追求していることを、リフォームを見て一言書いてみました。
平澤 政利