先週末、とても大きな涼温換気の家づくりが内定した。
センターダクト2本計画の、本格洋風の家である。
ほぼ大手ハウスメーカーに依頼する方向で動いていたという。
カタログは素晴らしい。Q値も桁外れな値を示していて、全館床暖房も快適そうである。
家づくりの事を調べていく中で、センターダクトを持つ涼温換気の家に目が留まった。そして、どんどん調べる。
そのお施主様は、空気のことに関しては専門家でありエキスパートでもある。
大量なデータを集計ファイルにしてお持ちになっていて、熱心さが感じられた。
後日、体感ハウスにお越しになられた。そこでは専門家らしい、本気そのもののご質問を一気に受けた。
本当に住み心地のいい家をつくろうとしている事がひしひしと伝わってくる。
私は家づくりの根本的な考え方から、涼温換気にお住まいの方の話、理論、システム、そして平澤建築事務所の家づくり体制や外断熱しかつくらない考え、その進化の中に今の涼温換気が位置している事をご説明した。
そして、私共に強く期待して頂くことになった。
結果、大手ハウスメーカーと競争してプレゼンテーションを行い、最終的に依頼先を決めることになった。
すでに先方メーカーは提出しており、随分と厚い資料である。
それに対し、こちらは配置にアプローチ計画のある1階平面図、それに2階平面図と立面図2面のシンプルなスケッチプランである。
全てが手書きであり、カラーリングもマーカーで色付けしたものである。植栽も影も同様である。
三次元パースの今の時代に、とてもアナログなプレゼンテーションである。
しかし、私は詩を書くイメージで提案プランをいつも描いているから自然とこうなる。
ドキドキしながら、ご覧になられた感想を待った。
一言、「美しい」。
嬉しかった。プランは荒削りでもっと縮小すべき等修正点などのご指摘も受けたが、大手ハウスメーカーのレベルをこの時超えた。
涼温換気について再確認のお言葉を頂いた後に、「あなたの所に頼むことにします。」とご返答をもらった。
こうした専門家の方にも認めてもらえることは誇らしく思う。
一棟一棟全神経を集中させ進めている仕事に誇りを感じ、全社員とありがとうを言い合った。
住む人が求める健康な器をとことん追求している家が、大手ハウスメーカーを超えた話でした。
平澤 政利