建築士として構造はないがしろにできない。
どんなに優れたデザインやおしゃれな空間であっても、構造を無視した建物は存在できない。
構造と一括りにしても、住宅だけでも、杭(地盤)、基礎、軸組と細分化できるし、それぞれが安全で、かつ建物全体としても安心安全でなければならない。
建築の中でも地味な分野として見られがちだが、その重要性は年々一般層にも伝わっている。
構造計画をしていると、美しい建物には美しい構造が秘められていることが良くわかる。
完成すると目に見えなくなってしまうが、力の流れを体現化し、バランスの取れた軸組は何とも綺麗なものである。
建築家ルイス・サリヴァンは「Form follows Function」(形態は機能に従う)と言った。
建築の変革期でもあった時代の言葉ではあるが、現代になってもなお考えさせられる言葉だ。
構造、間取り、シルエット、空間、それぞれが互いに影響しながら全体を形成していく。
表層的な装飾のようなデザインではなく、1つ1つが美しく、その集合として全体も美しい。内面から湧き出てくる美しさを持つ家づくりでありたい。
平澤建築事務所
佐藤 吉行