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2016.07.07
前真之東京大学准教授

前真之氏のエコハウスの追求コラムや書籍は話題となっている。

省エネや住む家の住み心地を追求されておられる方は既にご存知の本かと思います。

「エコハウスのウソ」です。

2012年の初版より改訂を行い、2016年2月9日第2版第3刷発行の本です。
表紙にも書いてある通りページ数が増えて、より中身が濃くなった増補改訂版である。

東京大学大学院建築学科専攻准教授の書かれた建築の本ですが、専門的な事をより分かりやすく、また的確に、そして鋭くエコハウスを掘り下げて書いおります。

本の中で、2009年に相当隙間面積の規定がスッポリ削除され、平成25年基準でも復活しなかったと、教授もハッキリとおっしゃっています。
気密なき断熱は無力なりと。

スカスカの建物でも断熱材さえ所定の厚みが入っていれば等級4の断熱を名乗れます。
その今の現状がいかがなものかです。

あれこれ展示場まわりをして、家づくりを決める事が本当に良いのかと疑問も投げ掛けている。

信頼の出来る依頼先が見つかれば、家づくりは80パーセント成功したと言えると書かれている。

まさにその通りだと思います。

液体は温度を運ぶには優れているが、空気はそうはいかない。
よってダクトによる熱移動が良いと、私共がたどり着い事と一致している事を話されてます。

涼温換気のセンターダクトシステムは気密と排気のバランスをより掘り下げた方法である。

エコハウスの真実を追求されている前教授は、涼温な家の空気感、住み心地を体感されたことはきっと無いはずです。
それがとても歯がゆい。

この涼温換気をご覧になり、体感されれば、増補改訂を更に出したくなると感じます。
「いい家」をつくる会、会員の平澤からもお勧めのいい本だと思います。
研究室から中立的に書かれたエコハウスの専門書として、是非ご覧になられて下さい。

平澤 政利