体感ハウスの居間に設置しているCO2濃度測定器は、おおよそ450ppmを推移している。
これは、もちろん涼温換気が稼動している状態である。
先日、ご夫婦で来場されたお客様と、約2時間ほど打合せをしていても、530ppm程に上がった程度である。
この連休中に、平澤が体感ハウスに泊まり、2階の寝室にて、一般住宅に条件が近くなるように、あえて涼温換気を停止させて就寝。
わずか、1時間半ほど経った時に、1,000ppmを超えてアラームが鳴り出した。
そのままであれば、どんどんCO2濃度は上がるだろう。
汚染度を確認したので、再び涼温換気を運転させて、しばらくしてから測定器を見ると、平澤が寝ていても、500ppm前後で安定していたという。
可視化できない空気だが、このように数値化されることによって、見えてくるものがある。
一時的に、1,000ppmを超えたからといって、すぐに体調に影響が出ることはないが、仮にこの状態が継続していたらと考えると、ゾッとする。
CO2濃度は空気汚染の一つの指針であり、空気が停滞していることも教えてくれる。
それに伴って、他の汚染物質までもが停滞し、充満していることは言うまでもない。
建築物環境衛生管理基準に、CO2を含めた空気環境の基準が規定されている。
この基準の目的は、特に多数の人が使用するような特定建築物に対して、環境衛生上良好な状態を維持するための措置として定められている。
より高い水準の快適な環境を実現を目的とした基準であり、涼温換気では、もちろんクリアされる。
これからの、さらなる省エネ時代の家づくりだからこそ、今一度、換気の重要性を考えて頂きたい。
佐藤 吉行