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2015.08.01
構造確認

木造2階建ての住宅等(いわゆる四号建築物)では、現在は確認申請時の構造計算書の提出は求められていない。
これは、もちろん構造的な安全性を確かめなくてもよいという意味ではない。
建築士の責任において、建物の安全を検証することは当然の責務である。

私共の家づくりは、今では全棟が「涼温な家」である。
再三ご紹介している通り、断熱・気密・換気の考え方で空気の質は大きく変わるもので、住み心地に直結する要素と言ってもいい。
これらは、建物の安全が大前提となることは言うまでもない。

建築基準法に定められた最低限の基準をクリアすることは当然のこと、その土地や建物によって一棟一棟ごとに計算書を作成し、確認しながらトータルで家づくりは進んでいく。

構造計算というと多くの人が、その建物のみの安全性をイメージされるのではないだろうか。地盤や基礎は、なぜか忘れがちな気がする。
土地に定着するものが建築物である以上、地耐力や基礎設計は建築物全体の安全性を確保するうえで、最も重要である。

近隣のデータを参考に、その土地のおおよその地耐力を確認することは可能であるが、建築前には必ず地盤調査を行ない、正確なデータを基に、その補強工事(地盤改良)を検討することになる。

そして、建物の自重や外的要因の様々な荷重や力を、無理なく伝えるように、基礎、建物の構造が検討される。
基礎は建物に加わる力を、均等に地盤に伝えるための重要な役割を担う。

瑕疵担保保険制度が施行されて以来、鉄筋検査や躯体検査が義務付けられたが、私共は鉄筋検査を行う資格を得て、自社にて、厳格に行なっています。
配筋状況や定着、継手長さ等の確認に加えて、ミラポリカフォーム(防蟻性基礎断熱材)の納まり、施工状況も同時に確認する。

住み心地の良い、空気の気持ちいい「涼温な家」も、地盤や基礎によって安全に支えられていることを忘れてはならない。

佐藤 吉行