雨の降る中、平澤に同行して庭木の植込み作業をする。
いつも、この植栽は平澤が担当していたので、今回の同行はとても新鮮な時間であった。
植栽工事の時には決まった図面はない。
あるのは、平澤の頭の中のイメージ。それをカタチにしていく。
準備していた庭木達を植込み予定の場所に置き、遠くから眺めながら全体をイメージする。
さらには、植込みをしている最中に、また全体を見ながら微調整をしていく。
平澤も言うように、一気に完成された庭をつくるのではなく、住みながらお客様自身でも手を加えていけるように、あえて未完成の庭にすることにも、改めて納得する。
決して大掛かりな造園工事ではないが、ほんの些細な、この緑の影響で建物が、さらには敷地全体が活き活きとして見えてくる。
佐藤 吉行