BLOG

ブログ
2014.07.01
換気をもっと真剣に

高気密の家は窒息するから家は中気密程度がちょうどいい。
久しぶりの学生時代の友人との会話の中で出てきた言葉だ。
「中気密」という概念がない自分にとっては全く意味不明だったので詳しく聞いてみると、やはり換気のことがないがしろにされている。
計算上で法的な0.5回/hをクリアするだけで、住み心地や住環境までに換気の理論が落とし込まれていない。
そもそも、中気密とはどのように施工すると実現されるのか最後まで納得できる答えは無かった。

数値や計算だけに頼りすぎるのは怖いことだ。
情報化社会がより進歩していく程に、私自身も含めて、人間の五感がどんどん薄れていく気がする。

流量測定を行ったS様邸。やはり、計算された結果通りにはならない。
もちろん、事前に計算することは必要で、それを確認するための作業でもあるから根本的な否定をするつもりはない。
しかし、計算上確認されているから、その通りに施工すれば間違いない結果が保証されているという認識は危険すぎる。
換気部材の1つ1つを見ても、個体差や特性があり、それらのクセを理解しながら計画・施工していく必要がある。

木のクセを考えながらつくられる木造建築。
「いい家」を目指していく過程でその真髄に少し触れたような気がした。

佐藤 吉行