先日、平澤に同行した際に立ち寄った場所での写真である。
それほど交通量は多くないが、国道から少し入ったそこには別世界が広がっていた。
静かで清々しく、何とも癒される空間である。
大木の並木道には自然そのものの力を感じることができる。このような自然の中につくられる建築は幸せだと思う。

商業建築や別荘建築などロケーションにこだわった敷地では植栽や外構もかなり綿密な計画が立てられるだろうが、住宅街における戸建住宅を見ていると、どこか植栽等はないがしろにされているように思える。
敷地全体がコンクリートの土間になっている家すら見かける。建物がどこか生き苦しいように見えてしまう。

進行中の現場を見ていても、緑が植えられ外構まで完成すると全く印象が変わる。
そして何より、家が生き生きして見えてくる。それは直接的にそこに住む人達に対してもプラスの力として働くだろう。
メンテナンスなど確かに面倒な事もあるだろうが、それを含めた敷地全体を我が家として愛着を持って欲しいと思う。
規模は違うが、改めて家づくりの中で決して疎かにできない「緑の力」を感じた日であった。

佐藤　吉行