以前にも書いた通り、2021年4月からの住宅の新築については、省エネルギー性の説明義務化が始まっている。
当初は、2020年から一定水準の省エネ性に適合しないと建築できない予定だったのだが、様々な理由付けで延期となり、今回の説明義務に留まっている。
ここで必要とされる基準がどの程度なのか。
断熱性能でいうと決して高いものではない。
国の省エネ基準は何度か改正をしてきていますが、断熱性能で言えば20年前の基準値のままです。
現在、適合義務や説明義務に求められる基準は、あくまでも「最低基準」と言ってよいと思います。
温爽の家で目安にしているのが「HEAT20のG2」基準。
2020年の高断熱化を見据えて提案された基準(G1/G2)であり、現在は、さらに高断熱化のG3基準まで明示されている。
G2基準は、もちろん国の最低基準よりは高い断熱性となるが、コスト的にも施工的にもそれほど難しい内容ではないと感じる。
数値だけで語れるものではないが、
バランスの取れた断熱性能、温熱環境設計がより求められる。
今後は段階的に、より厳しい基準値に設定されていくだろう。
外皮計算、一次エネルギー計算がほぼ必要不可欠業務となった今、情勢に見合った制度設定が早く求められる。
待ったなしの地球環境問題、気候変動。東日本大震災により顕在化したエネルギーの安全保障。先日、政府が発表した温室効果ガスの削減目標。
これらの観点からも、エネルギーを削減して有効活用することは求められ続ける。
建築物の基本性能が向上し、そこに省エネ機器が使われることは必要不可欠である。
平澤建築事務所
佐藤 吉行